2012.04.03

中野式漢文なるほど上達法



前回、漢文の基礎レベル参考書で、文法理解中心の参考書として、超初級わか〜る漢文を紹介しました。今回も同様の参考書を紹介します。

悲しいことに、文法理解中心の参考書は減少傾向にあります。品切れおよび絶版となった時のために念のため、他の参考書も…ということです(とはいえ、こちらも品切れ状態です)。

現在の漢文参考書の流れとしては、句形暗記の参考書は増加傾向にあり、文法理解の参考書は減少傾向(絶版傾向)にあります。それはおそらく、参考書と予備校の授業それぞれの違いから来ているのでしょう。

句形暗記は「網羅性」が必要になってくるため、授業で扱うよりも参考書で扱う方が効率が良いです(授業で扱うと「ここを覚えておけ」というだけになりやすい)。

それに対して、文法中心の学習は網羅性よりも「理解させること」が重要となってきます。となると、「これは実はこうなんだよ」と謎解きのように、授業で扱いやすい項目ではあります。授業の「しがい」があるといっても良いでしょう。

長々と説明してしまいました。そろそろ参考書の説明をさせて頂きます。
まず、構成は以下の通りです。

プロローグ
第一章 中野式元気になる漢文学習 ー6講
第二章 中野式漢文飛躍のカギ ー7講
第三章 中野式漢文読解のポイント ー9講
第四章 中野式漢文重要語法虎の巻(1) ー9講
第五章 中野式漢文重要語法虎の巻(2) ー9講
第六章 中野式漢文重要語法虎の巻(3) ー10講
エピローグ

見開き2ページで一つの項目を説明していくのは、超初級わか〜る漢文と同じ構成です。また、英語との比較において文法を説明していくのも同様です(中国語文法を利用して漢文を教えるという形式は、本書の著者である中野清先生のほうが先に行ったようです)。

本書の独自性としては、

中国語ではこう読むので、本来であればこのように送り仮名を打つべきだが、
「伝統的に」こう読まれている。
また、入試ではそこが聞かれるので覚えるしかない

という記述もあることでしょうか。
特に再読文字が、なぜそのような読み方になって、その意味なのかがわからない人にはがっちりと納得させるだけの記述があります。
たとえば、「将」「且」 =「まさに〜んとす」について


「ーントす」だけで、「ーしようとした」になるのだから、「まさニ」なんか必要ないのである。
 しかし、よく出題される再読文字の代表のような字なので、きちんと覚えておこう。(『中野式漢文なるほど上達法』p.91より)


この説明を「痛快」「面白い」と思える人にはこの参考書は向いているでしょう。

「ごちゃごちゃ御託はいいから、出るところだけ言えよ」っていう人には向いていないと思います。どちらが良くて、どちらが悪いというわけではないです。あくまでも、向き不向きの問題です。

本書で「理解」できたら、本書を辞書的に用いて例文や長文に当たる必要があります。「定着」させるのにはさらなる演習が必要です。このあたりが「文法中心の理解型」の欠点といえば欠点でしょう。

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2012.04.02

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大学受験のための漢文については大きく分けて二つの勉強法があります。

1)伝統的な句形暗記の学習
2)中国語文法を利用した理解中心の学習

どちらが良いのかということが長年議論されています。ボクの意見としては…

なにごとにも「絶対」がないように、勉強方法、参考書にも「絶対」がありません。生徒のタイプによって学習方法を選択すればいいのではないでしょうか。

というところです。

1)伝統的な句形暗記の学習
→「ここからここまで」と覚える範囲をきちんと決めて学習を進められる生徒
 理屈は良いから、最小限のことだけ覚えてドンドン文章を読んでいきたい生徒

2)中国語文法を利用した理解中心の学習
→「なぜその形になるのか」と理由がないと覚えられない、もしくは覚えるだけのモチベーションがわかない生徒

といった所でしょうか。今回紹介するのは、理解中心の学習をしたいという人のための初級の参考書です。構成は以下の通りです。

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